お芝居の感想をつらつらと

気が向いた時に戯れ言を書くスタイルです。

ウーマンリブvol.13『七年ぶりの恋人』

(観劇日2015.11.17 ソワレ)

いやー、笑った笑った。こんなにも何も考えずにわははと笑ったのは久しぶりですっきりしました。観た後何も残らないけど、確実に明日への活力にはなるお芝居。さすがウーマンリブ…。

とはいっても、ウーマンリブを生で観るのは初めてだったので幕が開いた瞬間は「おお、これが!」とやっぱり感動しました。あのなんでもあり詰め込み放題てんこ盛りの空気感はやっぱり劇場に足を運ばないと感じることのできないものですね。

 

七年ぶりということで、劇団員だけで構成された今回の公演。当たり前だけども、おふざけ要員の男性陣(もちろん女性陣も本気でふざける)と女性陣コンソメパンチのバランスが素晴らしく良かった…。伊勢さん池津さんの演技がなんかこう、とても胸に来るものがあったんです。全然真面目な話はしていないし寧ろ笑わせに来ているのだけれど。

サイズが合わない衣装とか圧倒的な記憶力の低下とか、おっぱい丸出しでの口論とか…そんな笑いの中に「身体も心も、もう昔のようなアイドルには戻れないんだね」というちょっぴりの切なさを感じました。だからこそ、ラストでまばゆいほどの光を放つ、アイドルとしての今のコンソメパンチに出会えて思わずうるっと来てしまったのでしょう。

それに対して男性陣は相も変わらず下ネタ大放出だわディープキスだわモノマネは誇張しすぎだわで(…ええ、大好きですよこういうノリ!)これぞメリハリっていうか…さすがはクドカン、まんまとやられました。

その宮藤さんですが、舞台上で誰よりも笑っていたのが印象的でした。喜劇において、ホンを書いて稽古を付けた本人が本番で一番笑ってるというのはとても素敵。それだけ自信のあるものに仕上がっているという証拠だし、カンパニーの一体感も感じます。それはウーマンリブに限らず福田雄一氏のお芝居とか、ジャンルは違うけどアンタッチャブルの漫才とかもそう…(復活してくれ…!)

また、心なしか宮藤さんが笑うと舞台上がい~い雰囲気になっている気がするんですよね。七割方私の妄想かもしれませんけれど。ですがそれを観られただけで、今回行って良かったなと思うわけであります。

 

また、全体を通してオマージュの嵐!嵐!

端的に言って楽しすぎました…。特に「バクマン。」オマージュにはやられました。それに付随してウーマンリブサカナクションの楽曲が使われたということが個人的にかなり嬉しかった。好きな物同士の融合ほどテンションあがるものはないですね…!

なにより、コンソメパンチが”二人組の女の子のアイドル”ということで、思い出すのは「あまちゃん」内の潮騒のメモリーズ。物語の核になる部分のオマージュは自身の作品っていうのが…語彙力が無い私にはうまいこと言えないけど、かっこいいなあと思ったわけです。

 

とにかく、こんなに何も考えずにお腹抱えて笑って楽しんだ舞台は久々だったけれど、観劇後に思うことはいつもと同じで、舞台っていいな!生のお芝居って素敵だな!ということでした。

明日もがんばろう。